函館の農村にて「生産現場と食卓のつながりを五感で味わう」ツアー体験【後編】
こんにちは、ワールドエッグス函館オフィスの山口です!
前回のブログに続き、「Hakodate Nature Gastronomy 2025」というモニターツアーイベントに参加させていただいた際の体験、2日目についてご紹介します。
このツアーは、豊かな食文化と自然資源を誇る函館市が舞台。普段の観光ではなかなか訪れない農村エリアで、「生産の現場と食卓のつながりを、五感で味わう2日間」をテーマに、自然・食・人とのふれあいを通して“本質的な豊かさ”を感じることができる特別な企画です。企画・運営は、弊社ともご縁のある株式会社さとゆめさんと函館市が手がけています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000050855.html
2日目
2日目の朝、ヒナティーの農園へ!
9時にホテルのロビーに集合し、向かったのは前日に訪れた「五稜乃蔵」のすぐ近くにある農園。
ここでは、実際に「五稜乃蔵」で使われているお米を育てている生産者・ヒナティー(通称:日向さん)にお会いしました。
ヒナティーはとても気さくな方で、自己紹介の時点で
「ヒナティーと呼んでください!」と明るく笑顔。
その瞬間から、参加者全員が自然と“ヒナティー呼び”に。

ヒナティーからはお米づくりへの想いや、地域とのつながりについてお話を聞いたあとは、いよいよ稲刈り体験。
市の担当者いわく、「1日目にたらふく食べてもらったのは、このためだったんですよ」とのこと。
冗談はさておき、実際に作業したのは20〜30分ほど。
8人がかりで刈り取れたのは、ワンルームの部屋の半分くらいの区画だけでした。
現代の稲刈りは機械だとしても、この広大な畑を管理している農家さんへのリスペクトが改めて強くなりました。

ただ何より、実際の稲刈りって楽しい。
黙々と刈っているうちに時間を忘れてしまい、気づけば夢中に。
(先祖が百姓だったという噂もあるので、血が騒いだのかもしれません…)
その辺のゲームよりずっと面白くて、集中できて、
お日さまと風に当たりながら体を動かすのが、ただただ気持ちいい。
しかも、このあとには“報酬”も待っているそうで…!
旅の締めくくりは、カヌーとバーベキュー!
稲刈りのあとは、この旅程のラストイベント――カヌー体験と、生産者さんたちとのバーベキュー!
田んぼから歩いて5分ほど、民家の脇を抜けて川沿いへ。
道すがらには栗が落ち、川では鮭が遡上を始めていて、秋の気配を全身で感じます。


スタート地点ではすでにバーベキュー会場の準備が整っており、
カヌー終了後の昼食タイムに期待が高まります。
カヌーの説明を受け、ライフジャケットを装着して、いざ川へ。

カヌー、そして予想外の“洗礼”
実はこのカヌー体験、以前に一度利用したことがあり、
そのときの楽しさが忘れられず、今回は少し自信もありました。
天気も最高、風も穏やか。
ゆっくり、景色とか魚とかを写真に収めるぞ!と意気込んでいたのですが――

…開始10分で、まさかのアクシデント発生。
カヌー渋滞に巻き込まれ、バランスを崩して見事に転覆。
10月の北海道の川へダイブ。
あっという間に全身びしょ濡れ。
そうは言っても、天気は快晴、気温も高く、水の冷たさがむしろ心地いい。
30秒ほど水に浸かりながら、悪くないなぁと楽しむ自分がいました。
気分さっぱり、リフレッシュした気持ちで再出発。
「まあ、ハプニングもいいネタになるし、写真でも撮ろう!」とスマホを取り出すと
――電源が入らない。
スマホに入っていたブログ用の記録写真のことが脳裏に浮かびましたが、
その辺はあまり考えないようにして、
「たまにはスマホのない時間もいいか」と、
目の前の景色、風、声、香り――ただそれだけに集中できるのは、むしろ贅沢な時間であると悟りを開くのでした――。

このあとはダイジェストになります。
カヌーの爽快感、バーベキューの美味しさ、そして地元の方々との交流。
どれも書ききれないほどの体験ばかり。
ぜひ、気になる方はご自身で体験してみてください!
きっと、“記録より記憶”に残る時間になるはずです。




あっという間の2日間。
本当にたくさんの体験をさせてもらい、伝えたいことも山ほどあります。
正直、ここでは書ききれないことばかりですが、その中でも主催の方が強調していた“あるキーワード”について触れておきたいと思います。
今回のツアーで大事なキーワードは「水」と「人」。
「水」というものが、いろんなものの根っこにある――
そのことを、改めて実感しました。
美味しい水があるから、美味しい料理やお酒、食材が生まれる。
そして同じ水でつくられたもの同士だからこそ、どこか調和しているような一体感がある。
今回の旅では、口にしたものすべてからその“バランスの良さ”が伝わってきました。
普段はそこまで意識しないけれど、
「暮らす」という視点で考えたときに、水の存在ってとても大事なんだなと気づかされました。
そして、自分が函館に戻って暮らしていることが、本当に幸せなことだと改めて感じました。
今回お会いした皆さんは口を揃えて、「水」についてお話をしていました。
その中でも印象に残ったのが、カヌー事業者の中田さんの言葉。
カヌーの途中で、「水を守ることがどれだけ大変で、どれだけ大切か」という話をしてくれました。
上流の様子を中流の農家さんへ、そしてその二つを下流の漁師さんへと伝えていく。
そうしたつながりを作る役割のひとつとして、カヌーもある――そんな話が心に残りました。
関わる人たちの顔が見えて、その人たちの言葉には熱があって、
だからこそ聞く側も自然とリスペクトをもって耳を傾けたくなる。
どんな取り組みも、やっぱり伝える「人」がすごく大事なんだと改めて思いました。
ただ楽しいだけじゃなく、
ちゃんと“伝えたいこと”が伝わる。
そんな素晴らしいツアーでした。
そして、自分の関わる仕事の中でも、
こうした「人」を軸にした視点で伝えるべきことをどう伝えるかということを、もっと大事にしていきたいと感じました。