海ノ民話と修学旅行

ワールドエッグスの吉田さおりです(^-^)

先日、私たちが推進する「海ノ民話のまちプロジェクト」で、函館市内の小学校の修学旅行に同行し、津軽海峡をフェリーで移動しながら、海の中のことを知ってもらう授業を行いました。海の上にいながら海中を知るという、とても画期的な授業です!

「海ノ民話のまちプロジェクト」は、全国各地に伝わる民話や昔ばなしという無形の文化財を「アニメ」という形にし、完成したアニメは地域の資産として活用していただくところまでをパッケージとしています。

民話は、その地域の特徴だけでなく、教訓、道徳、災害の記憶など、多様な学びが詰め込まれた、先人からの未来へのギフトです。その民話を、アニメという現代のアートで表現することによって、さらに未来へつなごうと取り組んでいます。

海ノ民話アニメーション「ムイとアワビの合戦」の1シーン

今回の授業は、函館市が推進する「海洋に関するSTEAM教育」の一環でもあり、理科・社会・図工の観点から、函館市の海ノ民話アニメーション「ムイとアワビの合戦」を織り交ぜて組み立てました。子どもたちが積極的に発言してくれたり、真剣に聞いてくれる眼差しに心打たれました。

海ノ民話と海洋教育を絡めた授業は、子どもたちのシビックプライドの醸成や、地域の海に興味関心を持ってもらうことができます。実際に、「ムイとアワビの話を初めて聞き、どんな貝なのか知ることができておもしろかった」「昆布が函館の名物だということと、どうしてそうなのかが分かった。海について少し知れたと思う」など、さまざまな視点の感想を得ることができました。

また、子どもたちには「未来の函館の海」をテーマに絵を描いてもらいましたが、ポジティブなことを描く子もいれば、ネガティブな絵の子もいて三者三様。創造を絵にすることで、「こうあってほしい」あるいは「こうなってほしくない」という海の将来を可視化した目標になりますし、海を自分ごと化できるツールにもなります。未来を担う子どもたちには、これをきっかけに何でも良いのでアクションを起こしてもらいたいなと思っています。

子どもたちが描いてくれた絵は、7月に函館市内の観光施設「五稜郭タワーアトリウム」で展示されることになっており、函館内外の皆さんにも、函館の海の未来について考えていただくきっかけになるのではと期待しています。