ロマンティック休暇で、20年目の南会津へ

こんにちは。長嶋です。

この春、我が家から「学生」がいなくなり、
それから2ヶ月ほど経ったところで、
会社の新しい福利厚生制度「ロマンティック休暇」を使って、
子どもたち抜きで旅行に出かけることにした。

行き先は我が家にとっては馴染みの福島県・南会津。

20年ほど前、長男が通っていた学校の
セミナーハウスがあったことをきっかけに訪れたのが最初。
新入生のオリエンテーリングでそこを訪れた長男が
「とても良いところだよ」と言うので、夏休みに出掛けてみた。
学校のセミナーハウスということで、利用料がとてもリーズナブルで、
男の子4人いて、家族6人で過ごす旅先として申し分なかった。
それに、ちょうどいいサイズの自然、遊び場、温泉、
美味しい食材、触れ合う人の気持ち良さなど、
南会津という場所の魅力に、家族でハマった。

それに考えてみれば南会津には、ロマンティックな要素がいくつかある。
例えば尾瀬の山歩きなら、ちょっとした冒険を味わえるし、
山間の集落の雰囲気は、「日本の原風景」と呼ばれるくらいにノスタルジックだ。

そんな南会津へ僕は2年ぶり、彼女は何年ぶりだろって感じで出かけた。

1日目はそれぞれが好きな場所で過ごす。
朝5時前に家を出て、8時過ぎには檜枝岐村に到着。
そこから僕は尾瀬にハイキングへ。
とにかく僕は尾瀬が好きで、今回で確か10回目。
コースは沼山峠から歩き始め、大江湿原を抜け、尾瀬沼をぐるっと。
15キロのコースを5時間弱で歩く。
人工的な音がまったくしないこの場所でリセットするのがお気に入り。

で、その間、彼女は地元で有名な立ち寄り湯などに行っていたとのこと。
実はその温泉、僕も前から行きたかったけど、チャンスがなかったところなので、
それはそれでちょっと羨ましかったりする。

1泊目は、僕自身が最近はよくお世話になっている温泉民宿。
息子は連れてきたことはあったが、彼女は今回が初めて。
新鮮な地元食材をふんだんに使った料理と、
少しとろみのある泉質の温泉を楽しんでくれたみたいではある。

2日目は、以前にも訪れたことがある場所を何ヶ所か。
あいにくの雨だったけど、
かえって初夏の南会津の山の緑が濃く見えるほどで、空気もうまい。
行く先々、通る道すがら、「あそこでは長男がこうだった」とか、
「四男がああだった」とかとか。そんな話をポツポツとしながらクルマを走らせる。

2泊目は、以前から泊まってみたかった温泉宿。
チェックイン時に応対してくれたフロントのおじさんからして
福島の人らしい、優しいホスピタリティがいっぱい。
オプションの山菜取りツアーを申し込むと、
そのおじさんから食事処の仲居さんまでが、
「いまの季節はワラビだね」とか、「ワラビの下処理はね」とかとか、
親切に教えてくれる。

そして翌朝、宿近くのスキー場で山菜取り。
ゲレンデの一角のひらけたところに群生しているワラビを見て、
ついつい夢中になってしまい、
小一時間でコンビニ袋2つ分のワラビが採れた。

「初めてのことをするのって、やっぱり楽しい」
そんな話をしたのも、今回の旅で良かったことかしら。

南会津に通い始めて、かれこれ20年。
きっとこれからも、何度も訪れるのだろう。
それが二人なのか、
子どもたちの誰かも一緒なのかはわかんないけど。
いずれにしろ、家族で共有できる場所があってよかったなぁと改めて思う、
「ロマンティック休暇」でした。

# 長嶋浩巳