「磯の香りがする川のまち」富山県・射水市内川を味わう

海旅プロジェクトの富田です。
海旅プロジェクトは今年から本格実施スタートする新規事業で、「海×食×旅」の新しい形を模索します!従来のガストロノミーツーリズムと一味違い、「海と暮らす街」のディープな日常を味わう旅・・・地元の食材の一番おいしい食べ方から、漁師さんおすすめのお店、実際に海に出て食材調達など、さまざまな方向から地元密着で「旅」を考えます。
“映えない”、それはありのままの日常。
“海と暮らすまち”の日常の中には、あなたにとっての非日常となる新たな発見と感動がある。
ここでしか味わえない「特別な食文化」「生業や生活の中に隠れた魅力」に出会う旅は、きっと忘れられない時間をあなたに刻む。
そして、この旅でしか知りえない「今起きている海の変化」への気づきも・・・
「知らないままでいたくない」海旅をあなたに。
海旅プロジェクト、始動します。
今年度は2つのエリアで海旅モデルツアーを実施予定です!
モデルツアー実施にあたり、プロジェクトメンバーが日本各地の「海と暮らす街」を視察予定ですので、順次レポートしていきます。
最初の訪問先は「日本のベニス」とも呼ばれる美しい港町、富山県射水市内川を訪れました。
東京駅から新幹線で富山駅まで行き、レンタカーを走らせること30分。
道の駅 カモンパーク新湊に到着して、まずは腹ごしらえ・・・


入って正面のお土産コーナーには、ホタルイカやシロエビ、氷見牛など地元の名産商品がずらり!!全部買いたい!な勢いでしたが、ここはシロエビ釜飯と氷見うどんと大門素麺とホタルイカ天日干しをチョイス。
お昼は名物・白エビバーガーを食べようと思っていましたが、いずみサクラマスバーガーも白エビとホタルイカのピザも美味しそうだ・・・
まずは白エビバーガーを実食。シロエビのかき揚げと卵たっぷりタルタルソース、シャキシャキキャベツ、バンズを口いっぱいに頬張ります。咀嚼するにつれてだんだんとシロエビの風味が広がってきて香ばしい。バンズのしっとり感にバーガーとしてのこだわりを感じます。


白エビとホタルイカのピザを食べると、一瞬で海の香りが鼻を抜けていき、クセになる味わい!トマトソースとの相性もよくて、二口目三口目と食べる手が止められません。白エビの味もかき揚げよりもダイレクトに感じられます。
気になって注文した白エビコロッケも、じゃがいもと白エビと油の風味が絶妙にマッチしていてこれまたおいしい。
腹ごしらえを終えて、ホクホクしながら私たち視察チーム一行は内川地方へ。


射水市・内川は写真のように、町の中に漁船が通る川が流れています。
川は通常、山から海へ南北に流れることが多いですが、内川は富山新港から東西方向に、海から海へつながっています。京都の鴨川など街の中心となる川は数あれど、内川は街と海をつなぐ港町ならではの姿!
夜遅く(朝早く)には、内川の漁船が出航する姿も見られます。

何気なく停泊している船の内装はブルーのものが多く、街並みに統一感のある色味を加えていています。なんだか簡単に「映える」と言いたくないような、味わいがあります・・・
通りと川の水との距離感がとにかく近い!
地元の方はやはり小さい頃、遊びといえば川遊びだったそうです。
川沿いのベンチなど、この場所でゆっくりと過ごす時間が見えて魅力的です。
内川にかかる橋は、バブル期に建設されたものが多いとのことで、デザイナーが腕を振るった個性的なものが多いです。堂々たる手のオブジェが街並みに突如現れるスリル!
川沿いを離れて民家沿いを通っていると、ふと気づく道の錆び。
これは、冬場の積雪を溶かすために散布される地下水に海水が多く含まれていて、塩で道が錆びているとのことです。これも港町ならではの景色・・・


夕食をいただいたのは“フレンチをベースとした気軽なビストロ店”「世楽美」さん!築80年以上の古民家をセルフリノベーションされたとのことで、壁の錆びをあえて残すことで、味わいたっぷりの外観になっています。





いざ食事が始まると驚きの連続。
それぞれのメニューは素材の味を活かした調理法で、魚料理に加えて、肉も野菜も全部おいしい・・・箸が止まりません。

白眉はこのサワラのポワレ 赤ワインソース。
肉厚なサワラはしっかりとした食べ応えがあり、パリッと焼いた皮からバターの香りが鼻を抜けます。マイルドで芳醇な赤ワインソースもサワラの風味を殺さず絶妙なマッチ具合。最高です。
お店の雰囲気も居心地がよく、すばらしい食事と気持ちの良いサービスで、何度でも訪れたい素敵なお店でした!!
食後は地元の漁師さん行きつけのスナック「むすび」さんへ・・・
射水の街の話や伝統的なお祭りのこと、名物・シロエビ漁の話などお聞きすることができ、港町ならではのディープな時間を過ごすことができました。


さて、翌朝は今回の訪問のメインの目的だったシロエビ漁に同行させていただく予定でしたが、残念ながら、現在射水のシロエビは不漁が続いており、訪れた週は休漁となってしまいました。
シロエビは富山湾でのみ獲れる魚で、地元の漁業者のみなさんが資源管理を積極的に行ってきた歴史があります。輪番制によって漁に出る船と休む船を分け、プール性と組み合わせることで、シロエビ漁の漁業者同士で売上を均等に配分することで過度な漁獲競争を防ぎ、持続可能な漁業を体現しております。
富山湾の重要な資源であるシロエビを守り続けるために、漁に出ないということ。これも海と向き合うという一つの形なのだと、目の前の海を見ながら感じました。
海に出れなければ、陸で海を感じよう!!ということで、実際のシロエビ漁で使用する魚網を見せていただきました。
なんだかカラフルでおしゃれ・・・
地元のデザイナーさんはこの魚網を使ったアレンジTシャツ作ろうと企画していたり、魚網のアップサイクルに取り組まれていました。
これだけカラフルな魚網ならかわいいアレンジグッズがたくさんできそう・・・
旅行者も何かお土産に作れたらいいなあ、なんて妄想も広がります。



空いた時間でふらっと街の魚屋さんを訪れてみました。
美味しそうな地元の魚がずらり・・・・!!
どれも新鮮で、大型スーパーには置いていないような珍しい魚も扱っていて、
港町ならではの魚屋を見るのはとても楽しいです!
私もお土産に、富山名産・ホタルイカと、こちと甘エビの昆布締めを買ってきました!!
内川・新湊地域は空き家率が高く、人口減少も問題となっているとのことですが、近年は、そういった空き家民家をリノベーションして、お店や宿泊施設を始める方が多いようです。旅行で訪れた方が街に魅力とポテンシャルを感じ、ここで何かを始めてみたいと思う、そんな力がこの街にはあります。
文字通り海とつながっている街、おいしい海の食材と、地元の人々。そしてここに引き寄せられるように移住してきた人々。
伝統が息づきながら、新しい風が拭く港街。
みなさんも機会があれば、ぜひ訪れてみてください!
▼富山県観光公式サイト / 内川をまちあるき
https://www.info-toyama.com/stories/umitoyama2024ss_history