海ノ民話ロケハン@タコの島

こんにちは、ワールドエッグスの高田奨です。
私が携わる「海ノ民話のまちプロジェクト」では、
日本全国から選出された「海にまつわる民話」をアニメ化し、
「海とのつながり」と「地域の誇り」を子どもたちに伝え、
未来に語り継ぐことを目的として活動してます。
今回は、今年度の制作する25本の海ノ民話アニメーションの一つ、
愛知県南知多町日間賀島の海ノ民話「たこあみだ地蔵」のロケハンの様子をご紹介します。
🐙~「たこあみだ地蔵」はこんなお話~🐙
かつて日間賀島で大地震が起きた時、沿岸に建っていたお寺が海に沈んでしまいました。
その後、ある漁師が偶然、海に沈んでいた仏像を引き上げた時、1匹の大ダコが仏像を守るように抱きついていたということです。それからこの仏像は「章魚阿弥陀(たこあみだ)」と呼ばれるようになり、日間賀島の豊漁と安全を祈願して、今も大切に祀られています。
「たこあみだ地蔵」の舞台は、知多半島の先端からフェリーで20分ほどの距離にある日間賀島。名古屋から最も近い離島ということで、観光客にも大人気のスポットです。
名物であるタコは、島のシンボルとして大切に扱われ、毎年8月にはタコの供養と豊漁を祈願した「たこ祭り」も開催されています。


ロケハンでは、現在も「章魚阿弥陀」が祀られている安楽寺や、海に沈んだお寺のあった海岸など民話の所縁の地を巡りました。住職さんや観光協会さんからは、民話に関わるさまざまなお話をいただき、沼田監督も、今後のアニメのシナリオや演出で参考となる情報やインスピレーションをたくさん得ることができたようです。
現地訪問を通じて、資料だけでは分からない情報や地域の方々のリアルな意見・想いをダイレクトに得られることがロケハンの醍醐味だと大いに感じました。


ロケハンの途中に立ち寄った漁港には、たくさんのタコつぼが積まれていました。伝統的なタコつぼ漁ですが、近年では海の環境の変化の影響もあり、タコが捕れなくなってきているとのこと。そんな中、島の環境を守るため、日間賀島では、定期的に漁師さんや島民の方がビーチクリーン活動をおこなっているそうです。
今回のアニメが完成した暁には、地域の自治体・企業さんと連携し、
島の内外に向けて、日間賀島の海の学びや魅力を発信することで、
海への興味・関心を高める事のできる企画を実現できれば、と改めて思いました。


「たこあみだ地蔵」をはじめとする、今年度の海ノ民話アニメーション(全25作品)は12月頃完成予定です。ぜひ、ご期待ください。
出典:南知多町教育委員会『続 知多のむかし話』